花屋にて。～既視感～

「いらっしゃいませー！！！何かお探しですか！？」

「え、いや、見舞いに花をもっ」

「ご希望の花はございますか？」

「特には……」

ない、と言いかけて青いカーネーションが目に入った。

「……珍しいですね、青いカーネーションなんて。」

「最近はカーネーションでもいろいろ種類があるんですよ！」

珍しい花だし、悪くないかもしれない。

「このカーネーションを入れてください。」

「かしこまりました！どなたに送られるんですか？？」

「……」

「なるほど！！恋人ですね！！はっ、お見舞いだなんて…何かご病気ですか？？怪我ですか？？」

「はっ？いや、ちが、あー…（めんどくさい）。体調が悪いみたいで…そんな心配するほどのもんじゃありませんから。」

「それは良かった！ところで、青いカーネーションの花言葉、ご存じですか？」

「いえ……知りません。」

「“永遠の幸福”という意味があるそうです。他にもたくさんありますが、私はその花言葉が一番好きなので……」

「永遠の幸福、ですか。」

「はい！プロポーズみたいですよね！！この花を渡しながら告白したら、永遠の幸福をあなたにあげますって言ってるみたいだと思いませんか？」

「………」

「あ、すみません！つい喋りすぎました！」

「いえ、いい話が聞けました。ありがとうございます。」

少しの既視感を感じながらも、青いカーネーション、ムーンダストの花束を受け取って花屋を出た。